自衛隊の教養

自衛隊人材不足の突破口 「募集年齢拡大」と「定年延長」

防衛省は深刻な人材不足に陥っています。平成30年10月から、自衛官の採用年齢の上限を現行の26歳から32歳に引き上げ対象者を増やすことで、充足率を上げようと考えました。

さらに定年を延長する方針も固め、潜水艦などこれまで女性に解放されていなかった職域を拡大しました。女性を積極的に登用することで穴を埋める手をなりふり構わず始めました。

女性の職域拡大もかなり進み、陸上自衛隊では普通科、施設科、機甲科などの職域にも女性が増えていると聞きます。普通科はいわゆる歩兵です。

機甲科というのは戦車、偵察部隊です。施設科は作戦行動で前線に赴き、普通科の突撃用の突破口を作ったり山に穴を開けてトンネル掘ったり、川や河川に橋を作ったりする部隊です。最前線への女性進出は画期的ですが、裏を返せばそれだけ人員不足だということです。

自衛官の採用上限、32歳に引き上げ 人材確保の司令塔部署も新設 少子化で迫る「静かな有事」対応

防衛省は、自衛官の採用年齢の上限を現行の26歳から32歳に引き上げる方針を決めた。関連規則を改正した上で今年10月から施行する。少子化などの影響で自衛官の確保が困難になっていることを踏まえた措置で、平成31年度には人材確保に関する政策立案の司令塔となる部署も新設する。複数の政府関係者が6日、明らかにした。

自衛官のうち「自衛官候補生」と「一般曹候補生」の現行の募集対象は18~26歳で、上限を6歳引き上げる。今週中にも採用年齢を定めた省令を改正するための意見公募(パブリックコメント)を開始する。自衛官の採用年齢を変更するのは2年以来で、当時は24歳だった上限を26歳に広げた。

自衛官候補生は採用されれば2~3年の任期付きの自衛官となる。希望に応じて任期を延長したり、任期のない別の職種の試験を受けたりすることができる。一般曹候補生は、「曹」と呼ばれる各部隊の中核を担う人材を養成するために設けられており、原則定年まで勤めることができる。30年度の採用計画数は自衛官候補生が9902人、一般曹候補生が6300人で、この2つの候補生で自衛隊の新規採用の9割以上を占めているが、最近は応募者数自体が減少傾向にある。
(引用:自衛官の採用上限、32歳に引き上げ 人材確保の司令塔部署も新設 少子化で迫る「静かな有事」対応

自衛官の定年年齢の引上げ(延長)について

自衛隊に求められる多様な活動を適時適切に行っていくため、自衛隊の活動を支える人的基盤を一層強化していくことが重要であり、防衛力を支える自衛官については、装備品の高度化や任務の国際化などに対応できる知見等を豊富に備えた人材の一層の有効活用を図る必要があることから、若年定年制自衛官の定年年齢を引き上げることとしました。

具体的な内容としては、新定年年齢への円滑な移行を図るため一定の準備期間等が必要であることから平成32年1月以降に引上げを実施(別紙参照)する予定であり、今後自衛隊法施行令等の改正を検討し、措置していくこととしております。
(引用:自衛官の定年年齢の引上げについて

人手不足で「定年延長」することの大問題

「若年給付金」が目減りし、再就職が難しくなるという現実

さらに定年延長は若年給付金の受取額の減額にもつながります。定年から年金受給年度まで毎年、もらえる給付なので定年延長した年数が増えれば、その年数分支給額が減ります。一番早い定年年齢(3曹・2曹クラス)は53歳です。これが54歳になります。

この1年分が減額されます。自衛官の退職金も段階的に減額されていることと合わさって定年間近な自衛官にとって大ダメージです。年金受給年齢まで定年年齢が据え置きになるならともかく、1年延長された程度ではその後の生活の不安は変わりません。

50代前半での再就職は大変です。事務職の経験がない人も多く、体を使った仕事の比率は多くなります。高齢での再就職先が十分な収入を保証してくれるかどうかは未知数です。

再就職先の企業から「定年した自衛官が10年間うちで働いてくれると考えて採用していたのに10年切ることになるじゃないか。」というクレームもあるそうです。再就職先の企業にとっても人員計画に狂いが出るのです。
(引用:MSNニュース

若年定年退職給付金だけでは空白期間の穴埋めは難しい

かつて自衛官は、55歳から年金を受け取れる共済年金の特例を受けることができました。しかし、自衛官の共済保険料の掛金負担が大きくなることが予測されたため、特例を廃止する代わりに若年給付金の制度が新たに設けられるようになりました。

若年給付金とは正式名称を「若年定年退職者給付金」といい、自衛官として20年以上勤続したうえで定年退職した人、または定年以前1年以内に勧奨などによって退職した人に対し、2度にわたって一時金を支給します。

支給額は退官時の階級によって異なりますが、およそ1,000万円前後が2回に分けて支給されるケースが一般的です。

一見したところかなり高額に思えますが、54歳で退官した場合、公的年金を受け取るまでに11年かかることを考えると、1,000万円÷11年÷12ヶ月=約75,757円となり、1ヶ月あたり8万円弱しかカバーできなくなってしまいます。

しかも、退職所得扱いになる1回目の支給とは異なり、2回目の支給は一時所得扱いになるため、確定申告をして税金を支払わなければなりません。

ですから、ほとんどの自衛官は自衛隊を退官後、民間企業に再就職し、公的年金を受け取れるようになるまでの収入を確保しています。
(引用:自衛官退官後の苦しい生活を3つのポイントで解説



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