
自衛隊の中で、人間関係に悩まされ鬱病(うつ病)になった自衛官は少なくない。一度、鬱病(うつ病)を発症すると、なかなか、職場に復帰できず、退職を余儀された者もいるだろう。そんな自衛官にストレスとは何か、ストレスから立ち直るための支援について紹介捨。
ライフサイクルとストレス
労働者の年齢層別のストレスの特徴をNIOSHの職業性ストレスモデルで表すとつのようになります。職場での立場や役割の変化、心身昨日の衰え、家族の抱える課題の変化などで、各年齢層でストレッサーが異なってきます。(1)新入隊員や若年労働者のストレスの特徴
新入隊員の場合、自由度の高い学生生活から、責任と協調性を求められる社会人へのシフトにストレスを感じ、離職に繋がることもあります。特に若年性労働者の一部では、メンタルヘルス不調が増加しており、その背景として、「組織への帰属意識が希薄」「外罰傾向」「協調性や忍耐力が乏しい」などの人格的な未熟さが指摘されています。
(2)青壮年労働者のストレスの特徴
職場では第一線の労働者であると同時にマネージャーでもあり、過重労働になりやすい世代です。家庭生活でも子育ての負担が増えます。
(3)中高年労働者のストレスの特徴
職場ではリーダーシップをとる立場になり、一層の成果を出すことが求められますが、加齢による心身機能の衰えに直面します。家庭では、親世代の介護・看取りや子世代の自立など、責任がお濃くなり負担も増えます。
(4)高年齢労働者のストレスの特徴
定年を迎え自身の病気などのストレスが高まりますが、勤労意欲は高く保たれ給与や処遇についての改善要求も高いという特徴があります。記銘力や想起力は低下しますが、知識や経験を活かして総合的に判断する能力は、経験と共に向上し続けると言われています。

職場定着率90%!うつ症状専門の就労移行支援【シゴトライ】

ストレスへの早期対応の重要性
(1)メンタルヘルス不調を予防するための自己管理過重労働やストレスをきっかけとして、メンタルヘルス不調に至る自衛官が増えています。予防のため、次のような工夫をすると良いと言われています。
①自分で残業時間の限度を決めて、その範囲を守るようにします。
②1週間に最低1日の休日を確保します。
③業務の進捗状況を把握し、週末は休みを取るようにするなど、メリハリのある生活を送るようにします。
(2)メンタルヘルス不調の早期発見は、まずストレス状態に気づくこと
メンタルヘルス不調は、心理的な者であるだけに発症の状態が第三者にわかりにくいという特徴があります。ストレスに気づくことができれば、対処行動が取れますので、まず自分のストレス状態に気づくことが肝要です。
メンタルヘルス不調の初期段階には、次のような特徴があります。
①一時的な心理的反応なのか、すでに病的なレベル(うつ病など)の問題になっているのか、重症度の判断がつきにくい。
②人により、ストレスの現れ方が異なる。「気分が沈む」「やる気にならない」などの心理面に現れる人、微熱、腰痛、食欲不振など身体面に出る人など、さまざまである。
③本来は本人が最初に不調に気づくはずだか、本人の判断力が低下していると、第三者の指摘で初めて気づくことがある。
(3)心身の不調を感じたらやるべきこと
心身の不調を感じたら、次のような対応をしてみると良いです。
①ストレスの原因について考える。事実を客観的に分析して、自分の心身の不調との関係を整理してみます。
②体調の回復を優先して、問題の解決に取り組みます。
③メンタルヘルス不調の問題は、独力で対処できないことが多いので、周囲に相談してください。自発的に相談する行為自体が問題解決のきっかけとなります。
④友人や家族、職場の同僚、産業医など、相談したい内容によって、相談する相手を変えます。
⑤不調の背景には、個人の既往症や、性格傾向、家族の状況などが絡むことが多いので、安易な自己判断は禁物です。
鬱病(うつ病)になって転職を繰り返さないコツは「焦らない」こと
うつ病をコントロールできるようになってきた方は、「もう薬も通院も必要ない。だから今すぐにでも転職したい!」と思いがちです。しかし、ここで焦ってしまうのはあなたのためになりません。 なぜなら、 焦ってしまうとうつ病が再発するリスクが高くなるからです。うつ病は再発リスクが50%もある病気ですので、決して甘く見ないでください。実際、再発に苦しんでいる人は少なくありません。うつ病を再発させずに仕事を続けていくためには、「うつ病という持病があること」を受け止めることが大切です。例えば、高血圧の方は、血圧を一定に保つために血圧を下げる薬を飲み続ける必要がありますよね。
うつ病もこれと同じで、心のバランスを取るために抗うつ剤を飲んだり、カウンセリングを続けることが大事なのです。治療を進め、 医師やカウンセラーから「転職活動を始めても大丈夫」と太鼓判を押されたら、ゆっくりと転職活動を始めましょう。
うつ病に理解のある会社を選ぶための方法
うつ病をオープンにしての転職活動に不安は付きものですが、昨今はメンタルヘルスケアに注力している企業も少なくありません。労働契約法などでは、会社には「労働者の心身の健康を損なわないように注意する義務を負う」という「安全配慮義務」が課せられています。
そのため、社員の精神疾患、体調不良などの問題を防止するために、会社も策を講じる責任があるのです。
例えば、うつ病に理解がある会社では、社員にメンタルヘルス研修を徹底させていたり、産業医(労働者の健康管理などについて専門的に指導・助言を行う医師)やカウンセラーを職場に置いています。
メンタルヘルスにかけるお金に余裕がある大企業や、メンタルヘルスに重点を置くベンチャー企業などは、うつ病に理解がある会社と言えるでしょう。
とは言えうつ病に理解ある会社を見つけることはなかなか難しいと思います。
したがって障害者の再就職支援を行なっているエージェントを利用することが大切です。転職エージェントはその道のプロですので、ぜひ相談してみてください。元自衛官であっても再就職できると思います。

職場定着率90%!うつ症状専門の就労移行支援【シゴトライ】
