天職を見つけるにあたって、とても大切な考え方がそれはある意味、逆転の発想です。逆転の発想とは、「自分が何を好きになるかは、実は自分自身で選べない」ということです。
これを突き詰めていくと、「やりたい仕事は自分で選ぶのではなく、人生から与えられているもの」としか、考えられなくなってきます。
このお話をすると、「え?天職とかやりたいことって、自分で考えて決めるんじゃない?」と思われるかもしれません。たしかに基本的には、自分の頭で考えて自分で決めることです。
しかし、ここでほんの少し逆転の発想を持っていると、「これが自分の天職だよな」と思えるものへ、グッと近くことができます。
その天職を見つける逆転の発想とは、「そもそも好きなこと、やりたいことって、自分自身で選ぶことができない。すでに人生から与えられている。」そういう考え方です。
「働くのも生きるのも、むなしい。こんなに辛い思いばかりして働いて、自分の人生になんの意味があるんだろうか・・・・」
長く働いていればこんな気持ちになること、誰にでもあります。仕事の悩み出なくても、プライベートでうまくいかないことが続いて、生きている意味を見失うこともあります。それどこあろか、たくさんのお金と名誉を持ち結婚して子供がいる人でさえ、「もうなんだか、生きていることがむなしく面倒くさい・・・」そう悩んで沈み込み心の病になります。
「がんばって生きても何も意味がない」
「そもそも生きていることに意味がない」
「自分のこの人生には何も意味がない」
そう思っている時は、うつ的傾向になって当然です。そんな状態が長く続けば、本当に心の病になってしまいます。逆に、生きる意味を明確に持っていると、人の心はとても強くなります。フランクルはニーチェのこんな言葉を紹介しています。
「何故生きるかを知っている者は、殆どあらゆる如何に生きるか、に耐えるのだ」
たしかにその通りです、しっかりした夢や目標を持っている人は、非常に過酷な状況でもたくましく生きて、強い精神力で道を切り開いて生きます。生きる意味って、人が健康に強く生きていくためには、とても大事なんです。
私達の仕事も、全く同じです。ただ辛く苦しいだけでなんの意味も感じない仕事は、あまりにも憂鬱。努力すればいいというのはわかっていても、努力をする気持ちに持って行けません。自分にとって意味ある仕事でなければ、人間は前向きに気持ちを持っていくなんてできないのです。
だからやっぱり、自分にとって意味のある仕事が大事。自分なりにやりがいがあるからこそ、私達はがんばれる。とはいえ、生きる意味なんていくら精神科医でも、簡単に与えられません。自分自身で生きる意味を見つけるにして、それもとても難しい問題です。
フランクルの「生きる意味と働く意味」の見つけ方
この問題にとことんまで向き合ったフランクルは、こんな答えを出しました。「人生の意味への問いにある種のコベル二クス的転回を与えなければならない。すなわち、人生それ自身が人間に問いを立てているのである。人間が問うのではなく、むしろ人間は人生から問われているものであり、人生に答えねばならず、人生に責任を持たねばならないものである」
(『人間とは何か 実存的精神療法』V・Eフランクル 春秋社)
やりたいこと探し専門心理カウンセラーの 日本一やさしい天職の見つけ方