「自分は何者か?」「自分が他の人と何が違うのか?」を明確に出来る「自分ブランディング」があれば、自信を持って新たな世界で活躍できる可能性が高くなります。
感覚的に情緒的に「自分らしさとは何か?」をいかに考えても、なかなか答えが出ないかもしれません。そんな時に、「戦略的に」「論理的に」「自己のブランディング」を確立させることで自分らしさを見出すパーソルSWOT分析は、大変有効なメソッドになります。
- 1.「強み」とは「トンガリ」になる潜在的な興味やスキル
- 2.「脅威」とは、あなたにとって好ましくない外部環境の変化
- 3.「弱み分析」では、時間をかけて自己改善する
■パーソルSWOT分析で「自分ブランド」を発見
1.「強み」とは「トンガリ」になる潜在的な興味やスキル
多くの「自己啓発プログラム」でも、「強みを伸ばせ」といいます。しかし、「強み」というのは単独では成立しません。「何かのために活かせる強み」こそ、本来の「強み」です。だから、「自分の伸ばすべき強み」を勝手に決めても、今一つ評価されません。また、その強みをさらに伸ばすために努力する「強み磨き」が継続しないのは、その「強み磨き」が組織や環境ニーズに合っていないからです。ニーズに合っていない「強み磨き」をいくら努力しても、第三者の評価は「あの人は変わっているね」「あれって、あまり会社には貢献しないよね」で終わってしまいます。
「機会」にぶつけられる「強み」とは、自分の「トンガリ部分」を指します。「トンガリ」とは、他と比べて、
・ある能力が秀でている
・とにかくキレイ
・とにかくトラブルがない
・とにかくアウトプットがある
・とにかくわかりやすい
・とにかく知識が深い
・とにかく情報が多い
・とにかく技術がスゴイ
等々です。
こういう日常業務やある戦略業務の中で、目立っているものを「トンガリ部分」と言います。しかし、そんなにとんがったスキルは自分にはないと思う人も多いでしょう。
そこで、次の「強み」のヒントに沿って、あなたの「強み」を導き出してみましょう。
以下の質問に答えてみてください。
1.あなたの「良い点」の発見
①昔から親兄弟、友達に言われた褒め言葉は?
②行動特性、習性において良い点は?
③性格面において良い点は?
④思想、発想、アイデアなどでの良い点は?
⑤上司部下との関係、友達関係、異性関係、親姉妹親戚の人間関係において良い点は?
2.あなたの「強み」
①会社が求めるスキルで、あなたがもっている能力、資格、経験
②他人にもすぐわかる業務上の能力で、他の人より秀でていること
③会社の今後の戦略や方向性に使えそうな自分の知識、経験、ノウハウ
④ある分野、ある作業をしている時、時間を忘れて没頭してしまう
⑤ある分野、ある作業ではナンバーワンの実務スキル
⑥会社の仕事で、この分野、この作業が好きだといえるもの
⑦他人のモノマネではなく、ある分野、ある作業では、オリジナリティやクリエイティブティを意識していること
⑧ある分野、ある作業の結果、第三者から褒められることが多い
2.「脅威」とは、あなたにとって好ましくない外部環境の変化
「脅威」とは、あなたの責任ではなく、社会環境や会社・職場環境の変化で、あなたにとって「悪い状況」になることです。例えば、次のようなことが「脅威」としてあげられます。質問に答えてみてください。
■脅威のヒント
1.あなたの会社・職場の業務で、ここ数年でなくなる業務は何か
2.あなたのしている業務や作業で、AIやロボットに置き換えられそうなことは何か
3.あなたの業務や作業で、人件費の安い海外人材や派遣、外製化されそうなのは何か
4.会社や職場は、競争力確保と生き残るために、あなたがしていた仕事で減らされる可能性があるものは何か
5.会社や職場が、出世も高い評価も与えないのはどんな特性や傾向のある人か
3.「弱み分析」では、時間をかけて自己改善する
「弱み分析」で、よく誤解されがちなのは、「弱み」=「悪い点」ではないということです。「悪い点」とは、自分が気づいている悪い点や他人から過去に指摘された悪い点です。・行動が遅い
・整理整頓がダメ
・言い訳やウソをつく
・無責任な行動がある
・間違いが多い、軽率、要領が悪い
等々
これらは個人の性格や習慣にかかわるもので、ある人から見れば「悪い点」でも、別の人から見ればそんなに気にならないこともあるものです。この「悪い点」は、本人自身が自覚しているものです。本人が認識していることをわざわざ他人に指摘されると、怒ったり、反論したり、イラッとしてしまいます。
「悪い点」は、仕事ができないことの遠因にはなりますが、それを「弱み」と解釈することはできません。「悪い点」は、だいたい人格に関連することが多く、従って、気に病んでも仕方がないのです。
でも「弱み」は、「機会分析」で出てきた、今後も可能性やニッチ業務があるのに、それに応えるスキルや知識がないことを指します。「弱み」は、時間をかけて克服したり、成長させることができます。
業務上の「弱み」とは、ニーズがあるのにできないこと、苦手なこと、評価が低いことなどです。だから、会社・職場のニーズに対して、自分の苦手な要素があるから、それは「努力義務」を自分にかさなければなりません。しかし、そんなきついことや無理なことにエネルギーを費やすより、「強み」にフォーカスして、さらに「強み磨き」をした方が得策です。
最適なキャリアデザインのための パーソナルSWOT