目指すキャリアを実現することは、キャリアビジョンの設定が重要

目指すキャリアを実現するには、キャリアビジョンを設定し、そこに至るためのルートを設計した上で、実際にキャリアを歩んでいくことが重要になります。

現在、自衛官で民間への転職を考えなら戦略的に進めるべきです。下記は「戦略構想力が身につく入門テキスト―「戦略って何?」から「経営戦略の立て方」まで」からの抜粋です。

【いかなる戦術も戦略には勝てない】


戦国時代の武田軍と織田信長の戦いは、戦略と戦術の違いを物語っています。1575年の「長篠の戦い」では戦略を駆使した織田軍が圧勝でした。

この頃の戦法は「やあや我こそは」と自分の名を名のり、馬に乗って1対1の接近戦で戦うことが常識でした。しtがって、強い軍隊とは訓練で鍛え抜かれた騎馬軍団で、1対1の戦いで武士が優秀だったのです。

しかし、織田軍は火縄銃を使い、それまでの戦いの常識を覆しました。火縄銃を使った団体戦です。火縄銃は一発打つために約30秒かかるので、3組の鉄砲隊が三列方式で交代に撃ったのです。

そのため短時間での連発を可能にしました。織田軍は戦いの常識やルールを変えたのです。武田軍は従来の1対1の接近戦で戦いを挑んだため、遠隔戦の鉄砲によって精鋭騎馬隊はほぼ全滅したのです。

この教訓は、織田軍がどうすれば勝てるのかを考えたように、戦略的に考える重要性を示唆しました。武田軍のように、戦術的な1対1の接近戦での腕を磨いていただけでは勝てないのです。

いくら優れた兵士でも多勢に無勢です。武田軍は戦場での努力をすればするほど、織田軍の鉄砲に餌食になって行ったのです。

【戦略とは】


戦略とは進むべき道を考えることです。努力をする前にまず「何をしたいのか」「そもそも何をすれば達成するのか」という素朴な疑問からスタートすることが必要です。

また、今までのやり方よりももっといいやり方はないのか、ちょっと立ち止まって考えることが必要です。前ばかりを見て猛烈に走っていたのでは、周りの美しい風景を見逃して、チャンスを失います。現状の延長上だけに解を求めていては、疲労の回路から抜け出すことはできません。

いかなる優れた戦術でも戦略には勝てません。戦略は進むべき道を考えることです。ちょっと頭と知恵を使って、少ない労力で成果を出す工夫をしましょう。

戦術は一生懸命努力すすことです。努力しても「的外れ」では成果が出ません。努力が報われるのは、どうすれば最も少ない時間と労力で成果が最大化できるかを最初に考えることです。戦術を考える前に、戦略を考える癖をつけましょう。

そのためには「知恵」が必要です。戦略の知恵とは「戦略構想力」です。全体像を把握しながら最も効果の高い部分を極めて、そこに時間と労力を投入するのです。的外れを最小化することこそ、戦略構想力の極意なのです。

自分の時間と労力を成果に結びつけるために、戦略構想力を見につけましょう。

【戦略と戦術を組み合わせる】


「立ち止まって考える」ことを「戦略的」といい、「走りながら考える」ことを「戦術的」といいます。まずは戦略的に考え、進むべき道を決めます。そして、「そもそも何をすれば達成するのか」をちょっと立ち止まって考えるのです。

そして進むべき道が決まったら、戦術的に創意工夫して効率的な進め方を実現することが大切です。考えながら走らないと、近道を探したり、目の前の崖や谷間などの危険を避けられないからです。

【人生も戦略が大切】


人生も戦略です。幹部自衛官の仕事が激務である、人間関係が辛い、もっと自分の時間が欲しいと考え、逃げるだけの転職は決してうまくいきません。

将来なりたい姿を想像し、それに必要なステップを考え、また、真っ正面から行くだけでなく、時には回り道をして、目標に近くことが大切です。

【キャリア設計の3つのステップ】

(1)目指すゴールとしてのキャリアビジョンを設定する(登る山を決める)
(2)現状からキャリアビジョンに至るルートを考える(登山ルートを考える)
(3)ルートを歩むために転職活動を成功させる(準備をして出発する)


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