国際化の大きなうねりを、観光の活性化、特産品の振興などにうまくつなげられるかどうかのポイントは、日本の良さをあらためて見直す、多様な考え方や文化を認める、しっかりと主張するなど、私達一人ひとりの人間力にありそうです。これは転職も大切です。
今一度日本を、地域を見直そう!
ある外交官が、担当していた環境・エネルギー分野の米国大統領府の高官が茶道に深い人だと知り、その外交官は改めて茶道をはじめとする日本文化と英語での表現方法を学び直しました。この高官が、日本国大使館のパーティーに参加して、そこど日本文化が話題となる可能性があったからです。
国際化と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、国際化を形にするためには、自分の国について学び、理解することが大前提です。例えば、私達が外国人に対して「観光にきて欲しい」「特産品を買って欲しい」と考えるとき、私達自身が、その特産品や地域の良さはもちろん、その背景にある魅力的な歴史やストーリーを整理し、説明できなければ、海外の人の心を掴めるはずもありません。
この部分では地方公務員は得意かもしれません。
国際化とは、相手の国を知ることはもちろんですが、自分の国や地域について、どれだけ深く、具体的にストーリーとして理解しているかが、それ以上に大切なのです。
どの転職にも活きる多様な価値観を受け止める力
国際化で最も大切なことは、国や地域によって異なる多様な価値観を理解し、受け止める力です。世界にはいろいろな国や地域があるので、価値観や歴史、文化も極めて多様です。日本とは異なる考え方や宗教的な価値観、文化上のタブーも数多くあります。喫煙や差別、人権問題などには、日本よりも厳しい目が注がれています。このような価値観等の違いを理解し、受け入れることが、信頼関係構築の第一歩です。
生駒市では、2018年6月から、多くの人が集まる駅前地域を対象に、歩きタバコなどに最大2万円の罰金を科す条例を施行しています。これは市民の健康増進はもちろんですが、生駒市を訪ねる外国人も増え、観光にも力を入れていたり、タバコに対する取り組みを国際水準に近づけることが必要になる、という理由もあります。
はっきりと主張する方がコミュニケーションは円滑に進む
国際社会で、日本人は何を考えているかわからない、はっきりと意思表示しない、と批判されることがあります。「沈黙は金」というお国柄ですから、多くを語らないのが美徳と言う考え方が日本にはありますが、これからは積極的なコミュニケーションが国際的にも、地域社会でもますます重要となります。例えば、自治体職員が市民の声に耳を傾けるのは当然ですが、市の立場や考え方など、伝えるべきことがあれば、しっかりと主張し、時には反論して考えを改めてもらうことも重要です。
自治体が頑張っている取り組みをしっかり発信することで、必要な市民に必要な行政サービスが届くのはもちろんなこと、何か市政に問題が生じた時も、市役所の頑張りを知っている人は、感情的にならず、冷静に自治体に接してくれる可能性が高いのです。まさに「平時の頑張りこそが最大の危機管理」なのです。
これは外国人や国際社会が相手でも同じことです。自分の意見を控えることでトラブルを避けようとするのではなく、こちらの主張を伝え、場合によっては相手に反論しながらも、相手の主張を認めるところは認めるというメリハリをしっかりと打ち出す方が、国際社会にも、地域社会でも結果的に良好なコミュニケーシんを生むのです。
一人ひとりの公務員の顔が見え、声が聞こえるコミュニケーションが国際化の時代、地方創生の時代と、両方の意味で大切なスキルとなるのです。それは、転職でも同じです。
10年で激変する! 「公務員の未来」予想図

未経験からのプラグラマー

