発達障害でも転職したいと考える人は多い

厚生労働省の若年雇用実態調査(2015年)によると、民間企業で働く若手社員の4人に1人が「転職したいと」トンガ得ているそうです。性別では、男性が22.0%、女性が31.3%と、男性よりも女性の割合が多くなります。

転職を希望する理由は、「賃金の条件」「労働時間・休日・休暇」といった労働環境がトップ、その次に「自分に合った仕事がしたい」等のやりがいを求める項目が続きます。この結果からも、ほとんどの人が職場で何らかの不平不満を持ち、転職を希望していることがわかります。

障害者雇用枠で就業する発達障害のある人も、この報告と同じようにさらに活躍できる環境を求め、転職を望むのは当然のことです。

発達障害がある人の転職事情

発達障害のある人の転職では、一般雇用枠から障害を開示して障害者枠の求人に応募する人もいれば、あるいは障害者雇用枠から一般雇用枠へという場合もあります。

前向きな理由で転職を希望する場合、就業中に業務に必要な資格の取得や自己啓発に力を注いでいる人は、転職の成功につながりやすいと言えます。以下、再就職に成功した方々の事例であり、発達障害のある人の転職事情になります。

Aさんの場合(30代前半 男性 アスペルガー症候群)

中小企業(正社員)→大企業(契約社員→1年後に正社員)
【雇用形態】一般就労→障害者雇用
【年収】現状キープ


「大学卒業後、アルバイト勤務を経て従業員50名ほどの中小企業に就職しました。主に総務と経理を担当していましたが、このくらいの規模の企業の社員は一つの担当業務だけではなく、何でもこなさければなりません。

元々要領のよいほうではありませんが、朝は早めに出勤し、毎日の残業を含めて、一生懸命に真面目に取り組んでいることで、直属の上司の覚えがよく、何とか働き続けることができました。

発達障害がわかったのは結婚してからのことです。妻からコミュニケーションの取り方や、親戚との付き合い方など、何かおかしいのではないか、一度調べてみたらと言われ、受診したところ発達障害と診断されました。

診断を受けたことを自体は特にショックを受けることもなく、素直に受け入れました。しかし、その企業で勤務を続けることに不安を覚えました。30代になればマネジメントを求められるようになりますが、自分にはそれが難しいことがわかっていました。

これまでは早出や残業で補ってきましたが、マネジメントとなるとごまかしようがありませんでした。

そこで、勤め人としての自分の将来を考え、一つの業務を長く担当する職種に就けないかと考えました。そして、障害者雇用への応募を決意しました。

採用選考は順調に進み、内定が出ました。転職して採捕の1年間は契約社員という待遇でしたが、家族を養う必要もあり、現在の年収は譲れないところでした。結果的には前職の年収を考慮してもらえましたので、職種、年収共に希望どおりの転職となりました。

経理の経験を活かせる職場に配属され、安定した勤務が可能となりました。1年後には正社員に登用され、安心して勤務を継続できています。

Bさんの場合(20代後半 女性 アスペルガー症候群)

中小企業(契約社員→正社員)→大企業(正社員)
【雇用形態】障害者雇用
【年収】現状よりアップ

「新卒で入社した企業では新入研修もなく、上司や先輩からマンツーマンの指導を受け、給与計算や雇用保険手続きを担当していました。自社だけではなく、グループ会社の業務も担当していたため、忙しく、残業時間も多い職場でしたが、業務に習熟し、専門知識を身に付けたいと週末は社会保険労務士の資格取得のために勉強を続けました。

そして、社会保険労務士試験に無事に合格し、資格を取得することができました。このまま業務を続け、キャリアアップしていくことを少しも疑っていませんでしたが、会社の事情で雇用権手続きの行は外部にアウトソーシングされることになりました。

その結果、これまでの多忙な状態から一転、手持ち無沙汰な時間を持て余すようになりました。

入社して2年以上が経過し、十分に経験を積んでいたこともあり、転職を考えるようになりました。就業しながら履歴書、職務経歴書作成の準備をはじめ、業務に支障の出ない範囲で、週末に開催される就職面接会への参加を中心に転職活動を行、内定を得ることができました。

Cさんの場合(30代後半 女性 ADHD、アスペルガー症候群)

大企業(契約社員→正社員)、派遣社員、アルバイト→中小企業(正社員)
【雇用形態】一般就労→障害者雇用
【年収】現状よりアップ

「一通りの対応力と、パソコンのスキルがあったことから、大手企業では契約社員として働き始め、その後、正社員に登用されました。ところが、非常に残業の多い職場であったため、少しずつ疲労が重なり、燃え尽き症候群のような状態になってしまい、退職せざるを得なくなりました。

通院、治療後の数年間は長期派遣就労を継続していました。やがて、二次障害の原因として発達障害があることが判明しました。そして、自身の特性を理解するとともに、体調をコントロールしながら、自分に合う職種で長く働きたいと考え、その選択肢として、障害者雇用枠への応募を考えるようになりました。

以前に比べると長期派遣の仕事が決まりにくくなり、生活のためにやむなくアルバイトを始め、就業しながら転職活動を続けました。アルバイトはシフト制の勤務であったことから、平日の昼間の面接に対応しやすいという点で助かりました。

その後、理解のある企業との出会いがあり、まったく未知の業界への挑戦ですが、正社員年tネオ採用が決まりました。」

発達障害のある人は転職が多いのか

発達障害のある人は転職回数が多いと言われています。発達障害のある人には正直な人が多く、経験した仕事は包み隠さず全て記載しようとすることも特性の一つです。

これに対して、一般就労では職務経歴を正直に記載しない(詐称)人が存在することも確かです。発達障害のある人の転職理由についてのアンケート結果、自閉症スペクトラム障害とADHDによって転職理由が異なり、双方とも「仕事がこなせなかった」「職場の人間関係」「精神的にしんどくなった」が上位に入りますが、「職場の人間関係」に関しては有意差があり、自閉症スペクトラムで多くなっています。

この調査では、発達障害のある人は仕事で感じる精神的な負荷や、職場の人間関係によるトラブルを理由に離職し、新しい職に就くものの、再び似たような境遇に置かれるという負のスパイラルに巻き込まれていると結論づけられています。


発達障害の人の転職ノート



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