1 航空自衛隊を退職
2 6回の転職(失敗と成功)
3 失敗事例と成功事例から学ぶ転職の考え方
1 航空自衛隊を退職
私は、防衛大学校を卒業当時から辞めたい辞めたいと思いながら、7年数ヶ月航空自衛隊の航空機整備幹部として勤務した末、航空自衛隊に退職届けを提出し、30歳の誕生日に航空自衛官を退官しました。辞めたいと思いながら、過ごした航空自衛官時代ですが、結果的に、かけがえのない人生の最大の財産になっております。自衛隊の中ほど、泥臭い人間関係の中で「生き抜くための方法」を学べる環境はないと自信をもって言えます。
そのよう中、辞める時は、悩むに悩んで苦しみ、やはり自分がしたいことをしたいと考え辞めることを決意しました。しかし、当時、私は結婚し、子ども生まれたばかりということもあり、家族に理解は得られませんでした。
しかも、正社員として転職したということではなく、半年間はフリーターとしてバイト生活を送るという決断だったからなおさら。辞めた後の半年間で、どのように自分のキャリアを築いていくかを考え、ある程度見えたので、正社員の転職を実行しました。
2 6回の転職(失敗と成功)
そこで考えた転職戦略は今の時点では成功と言えると考えているが、失敗も多くあります。実質クビという経験も2回もしました。私は5回の転職経験の中で、スタートアップの企業、第2創業期の企業、10年目に突入した企業、上場準備に入った企業、上場企業と航空自衛隊も含めると全ステージの企業での勤務をしました。その企業の中には、残業代なしで徹夜を何日もする所謂ブラック企業もありました。
失敗も多く、色々な会社を転々としてしまいましたが、それだけの転職を実経験したからこそ、それぞれの転職サイトの特性、履歴書や職務経歴書、求人はどのよう探すのか、どのような業界がチャンスを得やすいのかなどを学ぶことができました。
最後の転職は3週間で採用までいきました。転職履歴が多い履歴書であるにも関わらず。自衛隊の経験は他の応募者に比べ、履歴書が目につきやすいのです。それは非常に重要なことです。日々採用担当の所には数多くの履歴書が手元にきます。その履歴書等を時間かけて読む採用担当者は少ないというのが現実です。
目につくか目につかないかで、書類選考が通る確率が大幅に上がります。また、「会うだけ会ってみようか」と思ってもらえることが多いのです。だからと言って自衛隊からの転職を勧めるという訳ではありません。転職したい自衛官の中には、「自衛隊の労働環境は非常に劣悪だ」とか、「人間関係に耐えられない」とか、「新しいことにチャレンジしない組織」だと思い、辞めようか悩んでいる方も多いと考えます。
しかし、民間の方がもっと劣悪な環境であり、人間関係にもドライですし、新しいことにもなかなか踏み出さない組織集団です。したがって、「安定した職業につきたい」とか「安定した生活を送りたい」と考える方は自衛官であり続けることをお勧めします。そのようがよっぽど「安定した職業」であると考えますので。
もし、遠い将来でも、自分で事業を起こし、自分の力で生き抜きたいと考えるなら、民間は最高の環境です。それは自信をもって言えます。また、そのためのキャリア戦略に対し、アドバスができると思います。
3 失敗事例と成功事例から学ぶ転職の考え方
失敗例として、志望通りのITコンサルに内定し、わずかに1年で退職したケースを紹介します。
IT業界の営業職でキャリアを積んでいたAさんは、キャリア中盤にさしかかり、IT業界の中でも上流の仕事と言われるITコンサルタントへ憧れを抱き、転職活動を始めました。
技術的な知識もあったので、志望通りITコンサルティング会社に転職しました。しかし、Aさんはわずか1年程度でこの会社を退職しました。
理由は、同社の業界スタイルがコンサルティングというよりも、クライアントの言うことを技術的に委ねる「コーディネーター」的役割が強いものだったからです。
つまり、自分が思い描いていた業務が行えなかったのです。「コンサルタント」や「マーケティング」は企業によって仕事内容が大きく変わる職種だったのです。
入社後に自分がどんな仕事をするのか思い描くために、十分な情報収集を行う必要があったのです。
「上場企業には転職できなかったがやりがいに大満足」
小規模の会計事務所で会計士をしていたBさんは、キャリアアップのために「上場企業で経理をしたい」と転職活動をスタートしました。
しかし、数百〜数千万円程度の経理経験しかない人が、何十億という数字を扱う上場企業に転職するには、かなりの困難がありました。
Bさんは数社選考に落ちた後、上場準備中の企業に転職しました。その後Bさんは、「上場企業で経理する」という夢を叶えるため、多忙ながら充実感を持って仕事に取り組んでいるようです。
このように転職の成功と転職後の成功は違うのです。そして、転職後の成功がまさに大切なのです。
希望通りの大手企業に転職したけれども、「もっと華やかな仕事かと思っていた」などと不満を持つ人は多くいます。一方、大手を断念し、中小企業に入ったものの、「会社の根幹となる仕事に携われるし、裁量も大きい」「自分自身の能力をフルに発揮できる」と、イキイキと働いている人も多くいます。
何が、自分にとって価値があるのか、仕事が楽しいと感じるのか。それをしっかり考えてから、転職するのか転職しないのか大切です。そして、それが転職を後悔しないための思考の一つです。
私自身も多くの失敗をしました。しかし、今は成功した転職をしたと自信をもって言えます。「元自衛官の転職体験談」気になる方はご相談ください。
■キャリアパスが違う
予定していたポジションと違う、退職する予定の人が退職せずポジション就任を待たされている、などがあります。「いずれマネージャーのポジションが空く」、「○○が退職するので後任者になってほしい」と言われていたが、何らかの理由でその職位に就くことができない、という具合です。
ポジションについては明文化された契約書がないことも多く、もやもやした状態で過ごすことになってしまいます。
■カルチャー(社風)に馴染めない
社風が合わないという人もいます。外から見た企業のイメージと、中で働いてみたイメージは異なりますし、部署や上司によっても職場の雰囲気は変わります。
■同僚や上司との相性が悪い
面接で会った採用マネージャーと相性は良かったけれど、実際の職場の上司・同僚・部下と相性が悪いというケースもあります。出会った人の魅力や、そこからうかがえる雰囲気が決め手となって転職を決意することもあるでしょうが、様々な人がいることを想定して、相手の良いところを見ること、人間関係を気にしすぎない割り切りが必要です。
■問題のある職場
職場に問題があって定着率が低い職場へ採用されたケースでは、原因の確認が必要です。人が辞める→新しく採用→問題が解決しないままなのでまた人が辞める→新しく採用、が繰り返されている可能性があります。
■ハラスメントが多発 激務で人が辞め、残った人に大きな負荷がかかっている
就業条件が聞いていた内容と違う入社したら、聞いていた業務内容と違うというケース。雇用条件、仕事内容、業務量が違うなどがあります。
たとえば『週休2日で土日出勤は無いと聞いていたが、プロジェクトの緊急度に応じて土日の出勤が増えてきた』というケース。平日に代替の休暇を取れるなら人事制度上は問題ないのですが、あとは自身の受け取り方の問題になります。
■言葉の解釈に要注意 言葉の解釈の違い、用語の共通理解の違いから誤解が生じる場合があります。例えば「1日の業務量」としたときに、その「1日」が9時から5時までの定時を指すのか、残業も含めたものなのか、具体的に確認しないと大きなすれ違いを招きます。
平均的な退社時間など、角度を変えた質問で「実際のところ」をつかむとよいでしょう。
■転職してから前の職場の良さがわかった
働いているときには不満があったものの、別の環境に行くことで前の職場の良さに気がつくというパターン。会社の良さは働いているときにはなかなか実感しづらいものですが、転職することで条件が悪化しないかはよく考える必要があるでしょう。
■好条件だったが社風が合わなかった 給与や休日などの条件で転職先を選んだ結果、合わない社風の仕事を選んでしまうというパターン。どれだけ条件が良くても、働きづらい環境で仕事を続けるのはつらいものです。こういう場合には「条件だけを見ずにもっと真剣に転職先を選べばよかった」と後悔するでしょう。
■未経験の仕事に就いたが、向いていないとわかった
「未経験の業務に挑戦してみたい」と思って転職したものの、適性がないことに転職後に気がついたという人もいるようです。転職を決める前に関連する資格の勉強をしてみる、実際にその職種に就いている人の話を聞いてみる…など、就業後のミスマッチが起こらないようできることをやっておくことが大切なのではないでしょうか。
このように、転職に失敗した!と思う理由は人それぞれ。しかし、事前の準備で防げるミスマッチもあります。