下記は「新装版 あなたの天職がわかる16の性格」から抜粋したものになります。
満足のいく仕事とは、自分がもっとも「楽しめる」ものの延長線上にあります。このことに、人生の早い段階で気づく人は少ない。たいていの人は、心理的な葛藤に苦しみ、自分にできると思うこと、自分がしなければならないと思うこと、自分がしたいと思うこ(あるいは他人がして欲しいと思うこと)のあいだで、思い悩みます。思い悩んだときには、とくにかく、自分とは何者かを知ることに集中することが大切です。そして、あとのことは、ひとまずほうっておこう。例えば、書類の隅に署名するところを考えてみよう。
いつもの利き手でまず自分の名前をサインします。そして、こんどは反対側の手でおなじことをしてみてください。利き手で署名しているときは、「自然に」「スムーズに」「簡単に」「すばやく」書くことができるだろう。ところが反対側の手を使うと、ただの署名が「たどたどしく」「ゆっくり」「難しく」「疲れる」ものに感じられるだろう。
生まれつきそうなわっている能力を発揮できる仕事をするのは、利き手で字を書くようなものであり、自分に向いていない仕事をするのは、反対側の手で字を書くようなものです。
利き手を使えば、ものごとは気持ちよくスムーズに運ぶが、反対側の手を使うよう強制されれば、あなたは本来備わっている能力を発揮できません。そこから生まれるものは、技術的にも未熟なものであるはずです。
どんな仕事に就けば良いかを考慮する際、これまで、主に三つの要素が重視されてきた。その人の「能力」「興味」「価値観」である。
もちろん、この三つの要素も重要です。仕事を成し遂げるには能力が必要だし、その仕事に興味をもっているほうがいいし、自分がしていることには価値があると思えたほうがいいです。
だが、この三つの条件を満たすだけでは、とても満足のいく職業など就けないのです。自分の性格タイプを知ることがどうしても必要になってくるのです。
たとえば、「職場で他人からどの程度の刺激が得られるか」という点について考えてみよう。あなたは多くの人に囲まれているときのほうが元気になるどうか?それとも、他人と接するときはできるだけ一対一で話たいし、ひとりで仕事をするほうが落ち着くだろうか。
つぎからつぎへ決断を下していくのが好きだろうか。それとも、決断はできるだけ先延ばしにしたいだろうか。こうした特有の性質を理解しなければ、自分に適した仕事を見つけることは難しいのです。
そのうえ、これまで重視されてきた三つの要素「能力」「興味」「価値観」は、年齢とともに変化する場合が多いです。年齢を重ねるにつれて、その人の能力は変わってくるし、興味の対象も何をたいせつに思うかという価値観も変化してきます。
ところが、その人に生来そなわっている性格タイプは変わらないのです。