下記は「ブルーインパルスの科学 知られざる編隊曲技飛行の秘密 (サイエンス・アイ新書)」からの一部抜粋である。
航空自衛隊が主催するエアショーや大きな国民的イベントなどで、新しいスモークをひきながら華麗なるアクロバット飛行を披露するチームの姿をご覧になったことはあるでしょうか。
古くは1964年の東京オリンピックの閉会式で東京の上空に五輪の輪を描いたり、1970年の大阪万博では「EXPO’70」の文字を、そして近年では1998年の長野オリンピックの開会式や、2002年のFIFAワールドカップ・サッカーの日本代表チーム初戦などで、会場の上空をプライパスして式典に華を添えました。
このアクロバットチームが、航空自衛隊誇るブルーインパルスです。
白と青を基調とした美しいカラーリングが施された、6機のジェット機が魅せる一糸乱れぬフォーメーションや、躍動感あふれるパフォーマンスは、観る者全てを圧倒し、大きな感動を与えてくれます。青空に描かれる6条のスモークは雄大な軌跡は、まさに大空のアートといっても過言ではないでしょう。
ブルーインパルスが誕生したのは、今から半世紀以上も前の1960年です。敗戦後、GHQにより一切の航空活動が禁止された空白期間を経て、1954年7月1日に航空自衛隊に発足しました。そのわずか6年後にF-86戦闘機を装備するアクロチームが誕生したのです。
海外の主要な空軍では、戦後まもない時期に公式のアクロチームを編成して、儀礼的な行事やエアショーなどでその実力を内外に広くアピールしていましたが、わが国でもブルーインパルスの誕生により、航空自衛隊が世界に比肩しうる実力を獲得できた事が証明されたのです。
その後ブルーインパルスは、198年に使用機種を国産初の超音速練習機T-2に更新、そして1995年に現用の国際練習機T-4 い機種更新して、これまでに1,000回以上に及ぶ展示飛行を実施してきました。
ブルーインパルスの科学 知られざる編隊曲技飛行の秘密 (サイエンス・アイ新書)