その1 内発的動機付け
仕事のやる気を外発的動機付けと内発的動機付けで考える。天職の3つの要素とは、
・「内発的動機付け」 好きという気持ち
・「自己決定要因」 自分で選び決めること
・「意味への意志」 自分にとって意味ある仕事
この3つになります。
天職の要素として、第一にあげられるもの。それはやっぱり、好きなことであることです。「自分の好きなことを仕事をするのが一番」。それは、今に始まった考えではありません。これを心理学的には、外発的動機付け、内発的動機付けという言葉で説明します。
外発的動機付けとは、外からやらされるやる気を出すこと。
「お金を傘がなきゃいけないから頑張ろう。」
「上司に怒られるからちゃんとやっておこう」
「納期があるからとにかく頑張らなければ」
そういう「やらなきゃいけないから、がんばる」という気持ち。逆に内発的動機付けは、自分自身で自然とやり難い気持ちになること。
「自分から挑戦したいと思うようになった」
「やっぱりこれが好きだからやってみたい」
「今からでも興味あることを学んでみたい」
こういうのが内発的動機付け。自分からやりたいと思ってやっているから、やる気が出る。
このように考えると、外発的動機付けはダメなことと、思われがちであります。しかし、決してそうではありません。実は私達は日常生活は、ほとんどが外発的動機付け。人間って本当に怠惰な生き物で、多くの場合、他人にお尻を叩かれないと、動き始めません。
学生時代の宿題なんて、期限がなければ誰もやりません。自分から始めたい習い事でも、期限がないと宿題をサボってしまう。ダイエットのコーチが存在するのも、自分だけだとサボってしまうから。
それを考えると外圧でお尻を叩いてもらうのも、短期的にはとても有効的です。
転職の行動する前の天職の見つけ方としては内発的動機付けが大切
「これからの人生をどう生きていけばいいのか」「これから自分はどんな働き方をしていこうか」こういう長期的な目標を考えるとき、「自分自身は何をやりたいか」「自分自身がどうしたいのか」と、自分の内面に目を向けるしかありません。「親の顔色を伺って仕事を選んだ・・・」
「怒られたくないからただ働いている・・・」
「周りに流されるように仕事を決めた・・・」
そんな人生の選び型では、幸せになれるイメージを持てなくて当然です。私達は何十年も働くのに、これでやる気は続かないでしょう。
だから、本気で転職するための天職を見つけないとき、生き方、働きからを見つめ直すとき、そういう時は、「やっぱりこれに挑戦してみたい」「自分はこれが好きだからやっている」「この仕事ならやりがいを感じられる」。そういう内発的動機付けが大事です。
その2 自己決定要因
天職の要素の一つ、それは心理学者デシが自己決定要因といった、しっかりと自分の意志で決めるということです。仕事において、自分で選んだ仕事だから、そこに責任が生まれます。責任があるから、一生懸命になる。一生懸命になるからこそ、そこにやりがいが生まれる。そうやって決めないと、天職が見つかりません。
これは、天職を見つけるという大きな選択はもちろん、日常の業務でも同じです。ただ、上司のいいなりに仕事をやるだけでは、やる気は生まれません。それは仕事というより、もはやただの作業になります。
でも、ただの作業でも、そこに自分の意志が入ると変わります。最初は、ただいわれたようになっていた。でも途中からは、自分なりに考えて自分で決めたやり方でやってみた。
「このやり方をした方が、より効率が良くなるはず・・・」
「このやり方をした方が、よりお客さんが喜ぶはず・・・・」
こちろん自分で決めた分、責任は重くなります。失敗したら、ダメ出しされるかもしれない。でも、作業に自分なりの考えを反映させることができると、それだけで自然とやる気もやりがいも出てきます。それは、ただ作業であったものが、仕事になる瞬間です。
その3 意味への意志
人の役に立っていても、自分にとって意味があると感じるかどうか。また、世の中の役に立っているんだけれども、自分自身にとっては意味があると感じられないケースもあります。大事なのは、単に人の役に立てばいいということではないということ。それが自分自身の価値観でみたときに、意味を感じるかどうかが大事なのです。
精神科医のフランクルは、人間は自分の人生や、やっていることを意味あるものにしたいという、「意味への意志」を持っていると考えました。
フランクルは自身の本の中でニーチェの言葉を引用して、「何故生きるかを知っている者は、ほとんどあらゆる如何に生きるか、に耐えるのだ」と言います。自分にとって意味があると感じられることなら、人はたくましくがんばることができるのです。
やりたいこと探し専門心理カウンセラーの 日本一やさしい天職の見つけ方