【自衛官の教養】集団自衛権の行使条件

自衛官にとって憲法は切っても切ることができない必要事項である。自衛隊と憲法について、「自衛隊と憲法──これからの改憲論議のために (犀の教室)」の言葉を借りて紹介する。

自衛権の行使条件

個別自衛権・集団自衛権は、いつでも好きな時に好きなだけ行使できるというものではありません。個別的自衛権・集団自衛権の行使が許されるための条件を整理してみます。

第一に、個別的自衛権の場合は自国が、集団的自衛権は救援を要請する被害国が、「武力攻撃」を受けていることが必要になります。ここでの「武力攻撃」という言葉は、「武力行使」よりも強いニュアンスがあり、侵略国家による組織的な武力を用いた攻撃を意味します。

国連憲章を作るプロセスでは、もともと、安保理決議に基づく集団安全保障措置の他は個別的自衛権だけを認める条文が検討されていました。

しかし、地域的な安全保障の仕組みを作っていた南米諸国の要望を容入れる形で、集団的自衛権が盛り込まれることになりました。ただ、集団的自衛権は、濫用の危険も大きい権利です。

そこで、集団的自衛権が行使できる場面を限定するために、微妙な実力の行使や突発的な小競り合いを含むニュアンスの「武力行使」ではなく、明確に侵略と言える「武力攻撃」という言葉が選択されました。

第二に、個別的自衛権・集団的自衛権に基づく武力行使は、「必要性」と「均衡性」が認められる範囲で行わなくてはなりません。必要性とは、被害国への武力攻撃を防ぐために必要な範囲を超えてはいけないという意味になります。

均衡性とは、被害国が受けた攻撃と比べ過剰な武力行使になってはならないという意味になります。例えば、空軍基地を鎮圧すれば十分に攻撃を防げるという場面で、相手国の全土を空爆するのは「必要性」がなく違法な攻撃だと言われる可能性がある。

また、自国の戦闘機が一機撃墜された状況で、核兵器を使って相手の国の大都市を滅ぼしてしまうのは「均衡性」が著しくかけます。

さらに、集団的自衛権の行使には、武力攻撃を受けた被害国による援助要請が必要とされています。これは、第三国の勝手な介入がかえって紛争激化を招くなど、援助を受ける国の不利益になることを防ぐためであります。

ここで、「武力攻撃」について補足説明しておく。個別的自衛権や集団的自衛権を行使できるのは、相手の国が被害国を「武力攻撃した後」だけです。


自衛隊と憲法──これからの改憲論議のために (犀の教室)

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