【自衛官】転職と独立から見える「自分の実力」

下記は「30代を後悔しない50のリスト 1万人の失敗談からわかった人生の法則」からの抜粋です。

「転職35歳限界説」

昔から「転職35歳限界説」というものがあります。30代でそれなりに成果を出し、実力を身につけたと思った人が次に考えるのは「出世」「転職」「独立」という三つの選択肢です。

今の会社で昇進しながらやりたいことをやっていくべきか、もっとやりがいがあり、収入のいい新天地を目指すべきか、あるいは、宮仕えを辞め、独立開業し一国一城の主となるべきかという三路で悩むわけです。

一般的に、転職は30歳を過ぎると条件が厳しくなるといわれているため、多くの人がこの年齢を前に、人生を左右する決断について考えるようになります。

しかし、いざ転職や独立をしようと決心したとき、ここでもまた、理想と現実のギャップに直面することんなります。

自分でそれなりに成果を出してきたと思っていた人でも、いったん自社から出ると外の世界では実力を認めてくれなかったり、評価が低いことが多々あります。

評価というのは他人がするものなので、「自分はできる」とどれだけ思っていても、案外周りからは評価されないということもあります。概して、人は自分を過大評価しすぎる傾向があるものです。

独立においても、現実は極めてシビアです。そもそも独立となると、多くの人がそれなりの自信や自負、計画や勝算があった上で独立開業の道を選ぶわけですが、個人で事業を始めた場合、一年以内に約40%が廃業に追い込まれているのが現実です。

経産省の調べによれば、5年後の生存率は25%、10年後はなんと10%、10社に9社は存在していないのです。私もこれまで、この数字に重なる現実を見てきました。

営業の世界で名を騙せた先輩は会社をつぶして夜逃げをしましたし、ニュースで大々的に報道された詐欺事件で逮捕された某氏がつまずいたのも、30代半ばでした。

独立においては、私自身もまさに理想と現実のギャップにただ呆然と立ちすくむしかない、自分の限界を思い知らされる体験をしました。

私は32歳で創業したのですが、最初は生のクリスマスツリーのオーナメントを手がけるつもりでした。5年も前から準備し、東京ドーム数個分の畑にモミ、イチイ、ドイツトウヒといったツリー用の苗を植林し、MBA留学に出かけたのでした。

ところが、その間にバブルが弾けてしまい、帰国時にクリスマスツリーを売って1億円稼ぐという目論見は完全に皮算用で終わってしまい、逆に莫大な損失を抱えることになりました。

この体験は、自分の限界を知る瞬間でもありました。要は、顧客不在の自分本位の発想でスタートしてしまった見通しの甘さを痛感したのです。

クリスマスツリーを始めたのは、リクルート時代の私の顧客が、たまたま私の出身地からツリーを仕入れているのを知ったからです。私の実家は江戸時代から続く木材尚だったため、山林や畑も残されており、つい飛びついてしまったのです。

それまで会社員時代に身に着けた営業スキルに自信を持っていた私は、顧客は自慢の営業力で開拓すればいいやと高をくくっていました。恥ずかしいくらいに手前勝手な理由です。

私の限界はここでした。植木屋の経験もない、花木を扱う実務経験のない私が単にクリスマスツリーだけを扱っても、ビジネスのチャンスは年に1回しかないのです。

しかも欧米と違って、手がかって高価な生のクリスマスツリーを好むお客さまはかなり少ないのです。流れは、毎年使える人工的なツリーに完全に傾いていました。

今思えば、綿密な調査や収益計画を立てずに安易な気持ちでビジネスをスタートしてしまったことを恥じるばかりですが、もちろん当時はそれなりに自信を持って始めたのです。

母からは、アメリカのMBAというのは、その程度のものだったかとこっぴどく叱られましたが、私の独立はまず天狗の鼻をへし折られ、自分の限界を知ることからスタートしたのです。

「素の力」が試されるシビアさ

なぜ、30代になると、大きな差が生まれるのでしょうか。それは否が応でも「素の力」が試され、そこを評価されるかです。潜在能力や伸びしろではなく、とにかく発揮した力、あげた業績の「真水」に部分がみられるようになるからです。

種まき期である20代は、ついた先輩や上司が仕事をフォローしてくれるので、その時点での自分の業績は彼らの影響によるところが大きいのです。

さらにには、最初から20代は見習い期間として位置付けている企業も多く、人事考課の中であえて差をつけない方針もあります。人事考課でほとんど差がつけられていないわけですから、半期に一度ある上司との面談においても、「他とこんな差がついているから・・・・」というようなシビアなことを告知されるケースは少ないでしょう。

しかし、30代になると会社側のスタンスは急激に変化し、会社や組織に対する明確な貢献を評価の対象とし、限られた原資を効果的に配分するために、貢献度による「差」をつけるようになります。

一方、学歴についても、20代のうちは東大卒、ハーバード大学卒は間違いなくブランド力がありますので、実力とは別に周りから大きな期待が寄せられます。

ところが、30代になると、評価はあくまで実績になるので、学歴はほとんど武器にはなりません。会社によってはまだ学閥が残っているような会社もあるので、学歴が出世に影響することもないとはいえませんが、今の時代学歴だけで出世することはあり得ません。

それまで「やっぱり東大卒は違う」とちやほやされていた人も、成果が出せなければ、急に「学歴は高いだけど・・・」といった評価に変わっていくのです。

しかし、逆にいえば、学歴のない人にとっては大きなチャンスです。ガラガラポンされて横一線に並んだ状態で、実績さえ出せれば、いくらでも這い上がるチャンスを手にすることができるのです。

ある会社に営業職として入社した、元プロ野球選手がいました。彼が20代後半の時に一度も一軍登録がないまま某有名球団を解雇になり、その会社の門を叩きました。

社会人経験すらないアスリートでしたが、結局、彼は30代前半でその会社を代表するトップセールスとなったのです。

彼は「この会社は素晴らしい。プロ野球の世界では、チャンスをもらってそこで実績を出さないと、次は打席にすら立たせてもらえませんでした。でも、この会社では、とにかく打席には立たせてくれるので、そのことがうれしくて・・・・」と実績を出すチャンスが与えられたことを喜んでいたのでした。

バッターボックスには平等に立つことができるということは、実力さえ身につければ、いくらでも活躍する機会があるということなのです。


 


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