外向的な性格と、内向的な性格
私たちは、様々な個性を持っているものです。その中でも特徴的なものとして、「外向的な性格」と「内向的な性格」があります。外向的の特徴は、人付きかいがうまくて、明るくて、楽観的で、気さくで、細かいことにはこだわらず、社会の中でも人々と強調して生きていける、といった性質があります。
一方で内向型の特徴はその逆です。人付き合いがあまりうまくなり、どちらかというと根暗ね、ネガティブで、完璧主義で、細かいことにこだわる神経質な性格で、なかなか社会の人々と強調できない・・・そういった性質が挙げられます。
社会では、「外向的な性格の人ほど良い」、「内向的な性格はあまりよくない」という雰囲気があるように感じます。また、学校でも会社でも、周囲からの人気が集まるのは、たいていが明るく気さくな人ではないでしょうか。
そういう周囲の状況もあって、内向的な人ほど「私も明るい性格になりたい」、「うまく人と付き合いができるようになりたい」、「多くの友達が欲しい」などと思い、無理に自分を変えようとしているようにも思います。
しかし、そうやって変えようとしても、なかなか自分の性格は変えられないものです。結果として自分を帰ることができずに、「内向的な自分はダメな奴だ」と落ち込んでいる人もいます。
なぜ外向型、内向型という違いが生まれるのか
なぜ人は、外向型と内向型という性格の違いを持っているのでしょうか。もし一方的に外向的な性格の方が優れているのであれば、500万年という人類の進化の過程で、内向的な性格は淘汰されているのが自然です。それになのに人間社会では、外向型と内向型の比率がだいたい8対2で構成されています。ならば、「人間という種を維持する上でも、何らかのメリットがあるから内向的な性格がある」、と考えるのが自然であります。
では、その「内向型の人がいるメリット」とはいったい何なのでしょうか。これは、種の発展と繁栄のために、生命がこのような違いを持つようになったのではないでしょうか。
人間だけではなく、どのような生命にも、このような「外向型と内向型」の違いがある、という発送です。
これは、アリを考えて見ると分かりやすいです。
アリは、働くアリ:普通のアリ:働かないアリの比率が、2:6:2になるといわれています。どんなに働くアリを集めても、急に普通になったり、働かないアリが出てきて、だいたいそうのような比率になります。
それと同じで、アリは「近場でエサを探して集団で行動するアリ」、「遠くまで単独行動をするアリ」がいます。普通、アリは外で大勢の行列を作っています。ですが、稀に家の中にも一匹だけアリが迷い込んでウロウロすることがあります。
なぜ、そのように異なる性質を持っているかというと、いざという時のリスク対策ではないかと考えられます。
というのも、近場でばかりを探していると、何らかの環境変動や自然災害で近場から餌が取れなくなってしまった場合、簡単に絶滅してしまいます。
一方で、遠くにばかりエサを求めていても、問題です。散り散りになることで個体数が確保できない上に、エサを選びにくくなり、これも絶滅しやすくなってしまいます。
そのため、ある一定数を「近場で種を守り、社会を維持するための個体」に割いて、ある一定数を「単独、もしくは少数で遠くにまで出て、新たに住める環境を見つける個体」に割くわけです。
また、「近場で社会を維持する個体」においても、全員が一度に働いては、何か突発的な災害が起こった時に全滅しやすいでしょう。そのため、一部はバックアップとして控えておく個体、すなわち働かないアリが必要になるわけです。
そのような仕組みを持つことで、種を絶滅から防ぎ、効率的に発展、繁栄してゆくことができると分かりまる。すなわち、種を保つために、そのような仕組みが遺伝子として組み込まれているわけです。
これと同じようなメカニズムが、人間にも組み込まれているのではないか。すなわち、外向的な人は、近場で社会集団を作り、種の個数数を保つ役割を担っています。
一方で内向的な人は、単独もしくは少数のチームを組織して、遠くまで赴き、新境地を開拓する役割を担っています。
この「種を保つための役割の違い」が外向性、内向性という違いを生んでいます。
内向型人間のための人生戦略大全